大きな顔、大きな声、牧草や独特のにおい。
生き物のパワーみなぎる牛舎。
浦幌で、初めて酪農業を体験しました。
正確にいうと、以前浦幌に来た時に、酪農と肉牛と1日ずつ体験をさせてもらいました。
しかし、今回は3日間。3日間の牛との出会いで感じたことをお伝えします。
一番小さな牛舎。びっくりするほどの量の牧草を食べます。
まず感じたのは、牛にも個性や意志があるということです。
そうじをしていると、そっと足を動かしてくれる牛。
いつも私をべろべろとなめてくる牛。
どんなに押してもどんと寝そべって動いてくれない牛。
性格やその時の気持ちで、行動が変わることを知りました。
次に印象深かったのは「牛は自分の命を使って、人間には作り出せない恵みを人間に提供してくれている。」という酪農家さんの言葉です。
確かに、あれほどたくさんの牛乳を作り出すことは、人間には不可能です。
そして、その牛乳を飲んだり、加工されたものを食べたりして、私たちは生きている。
当たり前だけど、忘れがちな事実を目の当たりにしました。
牛との出会いで、私の中にはたくさんの感情や考えが生まれましたが、
共通して言えることは「いのちに感謝」ということです。
個性もあり、考えもある同じ生き物でありながら、
私たち人間のために命を懸けてくれている。
同じ命というならば、私たち人間が牛のために
命がけで何か恵みを与えられるでしょうか。
私にはできないなと思いました。
人間が牛を飼い、世話をしてあげているつもりだけど
本当は牛をはじめたくさんの生き物に生かされている人間。
これはもう「いのちに感謝」しかありません。
ありがとう。たくさんの命たち。
心をこめて「いただきます」を言いたいと思う、
「うらほろいちねんせい」の私なのでした。
最後に。
忙しい中で私を受け入れてくださり、命との向き合い方を体験で、言葉で伝えてくださった農家さんにも感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。
このコラムについて
15年勤めた教員を辞め、浦幌に飛び込んだ私が「うらほろいちねんせい」の目線でこの町をご紹介します。
著者紹介
(杉浦由記)
1986年広島県生まれ。10歳の時に、千葉県浦安市へ。
小学生の頃から、行事が好きで、仲間と共に何かを企画・運営することに夢中になった。
その経験から、小学校の教員を目指し、免許を取得。
東京都江戸川区、千葉県習志野市、市原市で15年間小学校の教員として働く。
教師として働く中で生まれた「本当に子どものためになる教育とは」「自分らしく働くとは」といった問いをもつように。
自問自答していたタイミングと、十勝うらほろ樂舎との出会いが重なり、2023年5月から浦幌へ。
現在は、自分自身の人間としての力を鍛えなおしながら、教育やスポーツを中心にたくましく豊かな人づくりに貢献できるよう奮闘している。
「出会いは必然」「思っていることは行動に表す」「人を大切にする」をモットーに頑張ります!