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オレンジ色に光る街灯の謎

 浦幌の町の夜は静かです。でもあまり怖さを感じることはありません。その理由の一つに街灯が明るいことが挙げられると思います。役場やスーパー、コンビニなどがある住宅の集まる区域には、多くの街灯が設置されています。

 私が気になっていたのは、オレンジ色に輝く街灯があることです。暖色系、というより、トンネルの中にあるライトのような、はっきりとしたオレンジ色です。こういう色の街灯は今まで暮らした地域にはなかったような……。自宅で寝る前に明かりを消すと、窓からオレンジ色の明かりが差し込み、壁に映るくらいの明るさです。謎でした。

 その謎を明かすヒントをくれたのは同僚でした。

 ある霧の夜。おいしく飲んだ後の帰り道でした。みんなで歩いて帰宅していると、やはり目立つオレンジ色の街灯。

 「おお。今日もオレンジ色が輝いている。ぼんやりしていてきれいだな」

 私がそうつぶやくと、一人が

「なんで街灯がオレンジなのか知っていますか」

 と聞いてきました。知らないと答えると

 「霧でも見えやすいように、オレンジ色の明かりなんですよ」

 と教えてくれました。

 後日調べてみると、北海道にはオレンジ色の明かりが多いのだとか。「ナトリウムランプ」というそうです。雪や霧でも視認性がよいという利点のほかに、虫が集まりにくい、水銀ランプよりも省エネであるというよさもあると分かりました。またひとつ、物知りになれました! 

 一方でLEDの普及とともに北海道からナトリウムランプから白色LEDに変わるところもあるようです。オレンジ色の明かりは風情があると思うので、少し寂しい気もします。

 霧の夜、私のお気に入りの場所から町を見たら、とても幻想的で美しいです。それはこのオレンジ色の明かりが白色灯の中で存在感を出しているからだと思います。温かみを感じさせてくれます。これからやってくる冬には、真っ白な雪をオレンジ色に染めてくれるのでしょうか。

 寒くなり、秋の深まりを実感する今日この頃。本格的に衣替えをしつつ、どこかノスタルジックな街灯を眺める「うらほろいちねんせい」のわたしなのでした。

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このコラムについて

15年勤めた教員を辞め、浦幌に飛び込んだ私が「うらほろいちねんせい」の目線でこの町をご紹介します。

著者紹介

(杉浦由記)

1986年広島県生まれ。10歳の時に、千葉県浦安市へ。
小学生の頃から、行事が好きで、仲間と共に何かを企画・運営することに夢中になった。
その経験から、小学校の教員を目指し、免許を取得。
東京都江戸川区、千葉県習志野市、市原市で15年間小学校の教員として働く。
教師として働く中で生まれた「本当に子どものためになる教育とは」「自分らしく働くとは」といった問いをもつように。
自問自答していたタイミングと、十勝うらほろ樂舎との出会いが重なり、2023年5月から浦幌へ。
現在は、自分自身の人間としての力を鍛えなおしながら、教育やスポーツを中心にたくましく豊かな人づくりに貢献できるよう奮闘している。
「出会いは必然」「思っていることは行動に表す」「人を大切にする」をモットーに頑張ります!

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