みなさんは、季節のにおいって感じますか?
最近わたしは春のにおいを感じます。といっても感覚のバグり始めたわたし(笑)。現在の気温もマイナス5℃で決して温かくはないのですが、それでも春のにおいがします。
本州の3月は、花が咲き出す頃。種類によっては2月末から咲いています。直近住んでいた千葉県市原市は梅と菜の花とが先陣切って咲き、卒業式を迎えるこのころから桜のつぼみがほころび始めていました。次第に膨らむつぼみを見上げるのがこの時期の日課でした。
一方、浦幌で春の足音を聞くのは人生初です!
まわりには、私の身長を優に超す雪の山がまだたくさんあります。だけど真冬の雪とは違い、日差しを浴びて溶けてぐちゃぐちゃです。あんなに真っ白できれいだった雪も今はどろどろで茶色。浦幌部の子どもたちに言わせると「きったない雪」(笑)。汚い、ではなく、きったない、です。でも確かにそう。雪解けの水が道路に流れ出し、車はどろどろです。わたしの愛車もどろどろでかわいそう…。ピンクや黄色の美しい春の始まりではありません。
真っ白な雪…ではない…
車を洗っても、すぐこんな窓になります。
だけど、確かに春のにおい。ちょっと湿ったようなそれでいてふんわりとした優しいにおいは、わたしがこれまで感じていた春のにおいと同じでした。そのにおいを感じながら、春ならではの別れと出会いを思い出し、複雑な感情を抱くこともこれまでと同じでした。ああ、浦幌にも春が来るんだなあ。
「北海道の春はきれいなんだよ。」
「春が来たら本当にうれしいんだよ。」
そう教えてもらったことがあります。きれいな春、うれしい春。
これから春がやってくるんだ。どんな景色が見られるのかな。
雪が解けて、寒さで固まって。このつららも美しくて好きです。
人生で一番寒い冬を経験したわたしは、浦幌の春に出会うことが楽しみです。
「さあまた新しいスタートだな。」不安、さみしさ、でも期待する、わくわくする。浦幌の春に包まれる日を心待ちにしながら、どっろどろの雪を眺める「うらほろいちねんせい」のわたしなのでした。
あ、もうすぐ「うらほろ二年生」かな!えへへ( *´艸`)
この連載について
15年勤めた教員を辞め、浦幌に飛び込んだ私が「うらほろいちねんせい」の目線でこの町をご紹介します。
著者紹介
(杉浦由記)
1986年広島県生まれ。10歳の時に、千葉県浦安市へ。
小学生の頃から、行事が好きで、仲間と共に何かを企画・運営することに夢中になった。
その経験から、小学校の教員を目指し、免許を取得。
東京都江戸川区、千葉県習志野市、市原市で15年間小学校の教員として働く。
教師として働く中で生まれた「本当に子どものためになる教育とは」「自分らしく働くとは」といった問いをもつように。
自問自答していたタイミングと、十勝うらほろ樂舎との出会いが重なり、2023年5月から浦幌へ。
現在は、自分自身の人間としての力を鍛えなおしながら、教育やスポーツを中心にたくましく豊かな人づくりに貢献できるよう奮闘している。
「出会いは必然」「思っていることは行動に表す」「人を大切にする」をモットーに頑張ります!