みなさまお久しぶりです。大量にあった雪も小柄になり、どこか寂しさを感じさせます。しかし、堂々と存在しながらも移ろう姿は、儚さとともに美しささえ感じます。
さて、うらほろマラソン2024は、まだ情報はオープンになっていないものの、様々な準備が進んでおります。地域をつくる手作りのマラソンであるからこそ、町民や関わってくださっている方々から意見をいただき修正・改善を繰り返しながら、より良いマラソン大会になるよう準備を進めております。
ところで、地域とはなんでしょうか。市町村のことでしょうか?それとも都道府県のことでしょうか?一括りに地域と表現しても、それぞれ連想する地域のイメージは異なると思います。ある種、「地元」も同じなのではないでしょうか。私は静岡県沼津市の出身です。もっと言うとその中の原という町で育ちました。中学校は静岡市清水区の中学校に通い、高校は富士市の高校に通いました。大学は北海道釧路市の大学に進学し、現在の浦幌町に至るわけです。何が言いたいのかというと、各フェーズで”私の表現する地元は変化している”ということです。小学校は原のことを地元と表現し、中学校、高校では沼津市を地元と表現し、大学以降では静岡県を地元と表現していました。
地域もその人のフェーズや話している相手によって変わる可能性のあるものだと思っています。
では、うらほろマラソンが表現したい”地域”とは何か。私は”浦幌町”だと思っています。
もっと具体的にいうと、浦幌のヒト・モノ・コトだと思っています。(もちろんこれが全てではありません。)
それらをつくるとはどういうことか。多くの方の意見を聞いたり、多くの方が関わってくださる状態ももちろんそうですし、目指したいところですが、一番は「発信する」ことだと私は思います。
昨年のマラソンのアンケートに、スタッフの人の温かさやゴールの設計がすごくよかったという意見とともに、”浦幌らしい大会だった”、”浦幌が大切にしていることが表現されているようだった”という意見がありました。コース1つとっても、大迫傑さんが浦幌の魅力である一次産業が存分に感じられるコースを設計してくださいました。おそらくマラソン大会だけを考えると公認コースをとり、平坦でランナーの方が走りやすいコースを選択すると思いますが、うらほろマラソンは違います。発信したいこと、感じていただきたい景色があるからこそのコースであり、大会設計なのです。
そういった関わってくださっている方々の想いや願いが、要所で表現されているのが、うらほろマラソンなのです。が、まだまだ発信が足りていないため伝わりきれてない部分も多くあります。
そういった「他のマラソンでは感じることのできない特別感や非日常感」とともに、うらほろらしさを感じていただけるよう、今年もより一層力を入れて頑張ります。
その結果、一人でも浦幌町のファンになっていただけたらこんな嬉しいことはありません。
最高の初夏を迎えられるように、走り続けます。
変えられない大切があるから 変わりゆく生活は正しい
そういうことです。
この連載について
このコラムは、「スポーツでの学びは社会に通づる」と考えている筆者が、筆者の感覚でスポーツで起きることを社会での出来事に捉えたり、社会の出来事をスポーツで捉えたりするコラムです。スポーツの価値が少しでも読者の皆様に伝わりましたら幸いです。
著者紹介
(越膳 慧太)
静岡県出身、北海道教育大学釧路校に進学。地域とともにある学校という視点で教育を学ぶ。授業を通して出会った浦幌町に飛び込むことが、自分の想いを形にするために必要な経験だと考え、大学卒業後、地域おこし協力隊として十勝うらほろ樂舎に勤める。現在はワークキャンプ事業と高校から感じていたスポーツを入り口に子どもたちの未来をよりよくするためのスポーツプロジェクトにチャレンジ中。
意外な一面
地元沼津市で活動しているお笑い手品芸人「おのちゃんマン」の一番弟子。人を笑顔にすることなどは師匠からいただいた可能性が大きい。
「おのちゃんマン」は会社の社長の傍ら芸人をしており、「笑い療法士2級」を持ち、保育園からイベント、結婚式福祉施設、被災地でも“手品“を通し、笑顔を届けている。