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子どもたちの「秘めた力」

これは昨年度末のお話です。

秋頃から「まっちプリント」という取り組みを始めました。これは、終業式までに、まっち(=私です)から出されたプリントを解いて、30枚貯まったら進級青色免許、50枚貯まったら進級ゴールド免許が交付されるというものです。

はじめは子どもたちも嫌そうで、2月頃までなかなかプリントをやってきてくれなかったのですが、1人が達成して、みんなの目の前で免許証交付式をすると、僕も私もと徐々にやる気になってくれました。

いよいよ残り1週間。青色免許でも進級できるのに、みんなゴールドをどうしても取りたいようで、私も怒涛の丸つけをする日々でした。

私が教室に入るなり、

「まっち、プリントに丸つけてー!」

「さっきのやつ丸つけ終わったー??」

「早くしてよー!」

と、むしろ催促されるように。

その中で、ゴールド免許まで残り20枚だった子が

「まっち、プリント20枚ちょうだい!」と言ってきました。その子は進めるペースがあまり早い方ではなかったので、さすがに私も驚いて、

「え、あと1週間で20枚終わらせるの!?」と聞くと、

「うん!」と元気よく答えたので、急いで20枚のプリントを用意して渡しました。

そしたら翌日に「まっち、はいっ!」と20枚全て出しに来てくれました。

こんなに秘めた力があったとは。

このコラムについて

私は学校の教育活動をサポートするため、平日・週4日で浦幌町内の小学校に通っています。そこでは、小学生に毎日様々なことを話しかけられます。小学生の言葉には、大人には思い付かない発想があります。このコラムでは、日々の私が小学生から言われることを紹介しようと思います。皆さんだったら、小学生にこのように言われた時にどう答えるのでしょうか。ぜひ考えながら読んでいただければと思います。

著者紹介

(続 麻知子)

1998年札幌生まれ。国語科教員を目指し、筑波大学日本語・日本文化学類に入学。大学では国内・海外問わず様々な地域に赴き、その地域の歴史や暮らし、人々の関係性を調査することで、自身の環境を振り返る機会となった。大学卒業後、浦幌町地域おこし協力隊に就任し、十勝うらほろ樂舎ヤングフェローとして浦幌町に関わる子どもたちや若者と共に「たくましく生き抜く力」を身につけ、次世代を主体とした地域づくりを目指している。

浦幌町に来て、町の方々の生の声から学ぶことがとても多いです!一緒に悩み考えながら地域づくりに関わっていきたいと思っています!

意外な一面
これはここだけの話だが、自分自身やろうと思えば何でも出来ると思っている。そして負けず嫌いな一面も。学生時代に教員を目指していたのには、当時苦手意識を持っていた先生を、自分が素敵な先生になって見返してやろうという気持ちが結構強かったということはあまり公表していない。

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