リポートリポート

「私、今めっちゃ幸せ感じてるよ?」

1月に実施した弊社スポーツイベントに協賛をしていただいた企業の方にお声がけいただき、横浜で11月に実施する舞台のプロモーション撮影に参加しました。

 私事ですが、その撮影期間の最終日がわたしの誕生日で、今回の撮影のお声がけをしていただいた担当の方(Sさん)にサプライズでお食事に連れて行ってもらいました。そこで沢山お話をし、とても楽しい誕生日になりました。

 その会話の中で私の心に刺さった言葉があります。

「私、今めっちゃ幸せ感じてるよ?」

 Sさんとお話をしている中で、働くこと(社会で生きること)が話題に上がった時のSさんの言葉です。Sさんは、普段は秘書業務をされている方で、日々、先頭に立って突き進んでいる方々のサポートをしているそうです。

「自分にやりたいことがあって、それに向かって突き進む人ってどの場所でも評価されることって多いじゃん?でも私は趣味も無いし自分が何かをしたいっていうのも無くて。ただ、そうやって突き進む人たちをサポートすることが好きなのかもしれない。だから側から見たら目標も何も無い人に見えるよね」

 続けてこうおっしゃっていました。

「私の本当の根っこのところは、働きたくて働いているわけではないの。ただ人のサポートをするのが好きで、今は会社の会長のサポートをしたいと思ってる。だから『自分がこうしたい』っていうのもないの。でもさ、それじゃダメなの?私、今めっちゃ幸せ感じてるよ?」

 Sさんは初対面の時から企業ロゴ入りの服を着て浦幌町に来られており、話している中でも自社に誇りを持ち、会社にもメンバーにも愛情を持って活動されていることがとても強く感じられるような方でした。その時は「仕事が大好きで、ゴリゴリ仕事をしています!」という感じの方なのかと思っていました。しかし、「自分で旗を振るよりも、その後ろをついていきたいのにそれを認められていない社会に違和感を抱いている」と知り、驚かされました。

 この話を聞きながら、私が所属している「スポーツチーム」が掲げているビジョンやミッションって何なのだろうか、と思いました。

 チームのビジョン・ミッションは、「スキを入り口に」「目標に向かって」進む人を前提としているようにも感じ取れます。ですがSさんのように明確な「スキ」や「目標」が無くても日常に幸せを感じ、輝いている人たちがいます。そんな中で、私たちの事業は「誰に対するものなのか」「掲げている内容の対象になる人は実社会においてどれくらい居るのだろうか」「もしかしたら実社会との乖離があるのではないか」と感じたのです。もう一度、立ち止まって思考の整理をしたいなと感じた瞬間でした。

この連載について

浦幌3年目の地域おこし協力隊が、活動の中でいただいた一言をご紹介します!

著者紹介

(続 麻知子)

1998年札幌生まれ。国語科教員を目指し、筑波大学日本語・日本文化学類に入学。大学では国内・海外問わず様々な地域に赴き、その地域の歴史や暮らし、人々の関係性を調査することで、自身の環境を振り返る機会となった。大学卒業後、浦幌町地域おこし協力隊に就任し、十勝うらほろ樂舎ヤングフェローとして浦幌町に関わる子どもたちや若者と共に「たくましく生き抜く力」を身につけ、次世代を主体とした地域づくりを目指している。

浦幌町に来て、町の方々の生の声から学ぶことがとても多いです!一緒に悩み考えながら地域づくりに関わっていきたいと思っています!

意外な一面
これはここだけの話だが、自分自身やろうと思えば何でも出来ると思っている。そして負けず嫌いな一面も。学生時代に教員を目指していたのには、当時苦手意識を持っていた先生を、自分が素敵な先生になって見返してやろうという気持ちが結構強かったということはあまり公表していない。

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