浦幌町は、食がとても豊かな町です。しかし、意外と浦幌でどのような食材が収穫されていて、どのように調理するのか知らない方も多いのではないのでしょうか?
本記事では、浦幌食材の生産者の方から生の声をお聞きして、浦幌在住の料理家 宮川順子さんによる食材の魅力を生かした美味しくて簡単な料理を紹介していきます。
第1弾の東部十勝澱粉(でんぷん)工場さんに続き第2弾は、JA浦幌で雪室ばれいしょの担当者の方にお話を伺い、雪室ばれいしょの甘みを生かした「絶品じゃがいも料理」を宮川さんに作っていただきました。とっても簡単なので皆さんもぜひ作ってみてくださいね。
JAうらほろの堀 慶真さんにお話をお伺いしました。
Q1:JAうらほろさんではジャガイモがより美味しくなる「雪室ばれいしょ」を製造されているとお聞きしました。そもそも雪室ばれいしょとは?また始めたきっかけを教えてください。
――雪室とは、雪冷熱を利用した天然の冷蔵庫のことです。JAうらほろでは、敷地の雪をコンテナに詰め、ジャガイモと一緒に貯蔵しています。
始めたきっかけは、みなさんご存知の通り十勝はジャガイモが有名です。
他の地域と差別化するために2002年から雪室ばれいしょを始めました。
Q2:雪室ばれいしょが持つメリットはなんでしょうか?
―― まず、雪を使用することで、電気の使用量を通常の7~9割ほど抑えることができます。
それに加えて、雪室でジャガイモを保存することで、糖化(とうか)という現象が進みます。糖化は貯蔵温度が低いほど進むため、雪室ばれいしょは通常のジャガイモより甘くなるんです。
Q3:雪室ばれいしょを作る上での苦労はありますか?
――温度管理が難しいことですね。雪の量で温度を調整しているので匙加減が難しく、毎日温度をチェックして雪を足し引きしてます。
Q4:最後に購入方法を教えてください。
ーーJAうらほろ西町事務所に直接きていただいて大丈夫です。
事前に西町事務所にお電話をいただければ在庫を確認します。(電話番号: 015-576-3011)
毎年販売を2月中旬から初めて5月過ぎごろにはなくなってしまうのでお早めにお問い合わせくださいね。
JAうらほろの堀さん、取材にご協力いただきありがとうございました
では、雪室ばれいしょを使った絶品いも料理のご紹介
今回は、雪室ばれいしょを使ったジャガイモパンとジャガイモソースのレシピをご紹介します。
<ホクホクもっちりジャガイモパンの作り方>
材料
<大ボウル>
ジャガイモ(下茹でして潰したもの):150g
強力粉 200g
ドライイース 小2
砂糖 小1
ジャガイモの茹で汁 110cc
<小ボウル>
オリーブオイル 15g
塩 小1
<その他>
炒めた玉ねぎ 適量
(あれば)キャラウエイシード(又はエルブドプロヴァンス)
作り方
①ジャガイモを茹でて、熱いうちにざっとつぶしておく。茹で汁は捨てずにとっておく。
②フライパンで、スライスしたたまねぎを炒めて軽く塩コショウして冷ましておく。
③強力粉・ドライイースト・砂糖・ジャガイモの茹で汁を混ぜ合わせる。
※茹で汁は生地の状態を見ながら少しずつ加える
④粗熱をとったジャガイモも加え混ぜる
⑤ある程度混ざったら、炒めた玉ねぎ・キャラウエイを加える
⑥生地がこね上がったら表面のシワを伸ばすように丸くまとめ、薄く油脂を塗ったボール に入れてラップをかけ、暖かいところに置いて発酵させる。
30℃/40分前後【一次発酵】
⑦ひとさし指に強力粉を軽くつけ、ふくらんだ生地のまんなかに差し込み、フィンガーテストを行う。指を抜いても少し戻るくらいで穴が残れば発酵終了。
指であけた穴が閉じていくようであれば発酵不足のため、再度様子を見ながら発酵を
行う。
⑧発酵が完了したら、生地のガス抜きを行い、10分程生地を休ませる。
※固く絞ったぬれ布巾またはラップをかけるか、ボウルを伏せておく。
⑨打ち粉を振って天板の7割くらいの大きさの四角形に麺棒で広げて成形する。
⑩ラップをかけて40℃/30分前後】、【2次発酵】させる。
⑪電気:200℃/30分 ガス:190℃/20分 で生地を焼き上げます。
⑫焼き上がった後は、刷毛でオイルを塗って仕上げをします。
<旨味たっぷり!ジャガイモソース>
材料:作りやすい量
ジャガイモ(茹でたもの)200g
バター(できれば無塩)50g
塩 一つまみ
牛乳 30~50㏄(大さじ2~3杯)
作り方
①ジャガイモは洗って皮つきのまま、沸騰させないよう(90℃程度)に気を付けながら、竹串がスッと通るまでゆっくり茹でる。 ※塩は入れない
②柔らかく茹で上がったら、熱いうちに皮をむいて粗く潰す。
③フードプロセッサーに、2とバター、牛乳を入れて攪拌し、トロリとしたら塩少々で調味する。
お好みで牛乳を加えて好みの濃度に調整する。
※ジャガイモが冷めてしまうとバターと上手く混ざらないので注意。
※全体が冷めてから濃度調整の牛乳を加える場合は、40~50℃程度に温めて加えると良く混ざる。
※シャドークインは加熱で色が飛ぶので再加熱できないが、色がないジャガイモであれば鍋やフライパンで再加熱できるので、作り置きも可。
JAうらほろの皆さんに試食していただきました!
出来立てのパンとソースをJAうらほろの皆さんに食べていただきました。
パンはたっぷり入ったジャガイモのおかげでもちもちの食感に!
ソースはシンプルな味付けながら深みのあるおしゃれな味わいを楽しんでもらうことができました。
協力:JAうらほろ
レシピ提供・調理:宮川順子
企画:十勝うらほろ樂舎
この連載について
浦幌食材の生産者の方から生の声をお聞きして、浦幌在住の料理家 宮川順子さんによる食材の魅力を生かした美味しくて簡単な料理を紹介していきます。
著者紹介
(佐々木 すみれ)
1998年仙台生まれ。育ちは札幌。2021年3月、大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学を卒業。学生の半分が国際生で構成されるグローバルな環境で4年間を過ごす中で、新たな価値観に出会う楽しさを知り、英語は間違った英文を話す度胸だけがついた。 新卒で浦幌町の地域おこし協力隊となり、樂舎では主に広報とワークキャンプを担当している。
文章を書くのがとても好きなので、浦幌で生きる力を育みながら将来はどこでも生きていける逞しいライターになりたいです。